性格というのは、一口で言えない。
また自分の性格は自分で案外わかっていない。
漢方のドクターと雑談したので「若いころから疲れやすくスタミナがないんです、
私に何か処方をしてくださいよ」と持ちかけてみた。
「あなたは感情をストレートに出す性格ですね」とおっしゃるので、「その通りです」と
答えると「さいこかれいこつぼれい湯がいいでしょう」とおっしゃる。
神経症的な不眠症の人やイライラ感のある患者さんに処方する精神科的な薬なので、
ちょっと納得いきかねたが、マ、わたしは素直な人なので、じゃあと、それを服用することにした。
ついでに聞きますが、とおっしゃって「人となじみやすい性格かどうか」とたずねられた。
漢方では、そういうことが大事なのだと言う。
「誰とでもすぐ仲良しになれる反面、傷つきやすく気を使い過ぎて、人と出会うことさえ
億劫で内向的な面があります。父が自閉症のような人でしたし、母は超社交的な人でした。
私は父親とそっくりなのですが突然母親の性格が顔を出すので、そのギャップの調整に
苦慮する一生です」というと相手は漢方医なので ノーコメントだった。
でも何か プロの勘があるのかと思い、その漢方薬を一ケ月のんだ。
煎じ薬で毎日40分も煮詰めるので大変だが、マメな性格なので一日も欠かさなかった。
一ケ月して、効果はどうですか?と言うので「効果はわかりません」というと
「半年くらい飲んでみたらどうか」とのこと。
気の長い話だけど、どうせ暮らしのお茶は薬草茶を煎じているので 苦痛ではない。
まあ、漢方薬体験もおもしろいので、しばらく飲むつもりだ。
☆ ☆ ☆
そうこうしている間に、先日わたしの演奏したピアノ曲「ラブ」を偶然聴いたというレッスンプロの方が、
突然「あなたって 本当に神経の細い方ですね。弱いとまでは言わないけど
相当神経が細いというかこまかいというか優しいというか・・・・・びっくりしました」という。
「生きていくの大変でしょう」と言わんばかりに勢いである。
「こないだ ラブを弾いていたでしょう。弾き方でわかるのですよ。ピアノって性格が出る」と言う。
私はちょっと驚いてしまった。
たしかに私には神経のこまやかな優しい面があることはたしかだけれど、そんなこと
知る人ぞ知るで、誰も本気で思っていない。
でも、畑違いのピアノの先生からそう言われてみると、自分で思いあたることがあった。
先生が言うには、その性格だからこそ精神科医に向いているのだと思う。だけど
その性格ゆえに 傷ついたり苦しんだりすることも多いのではないかという。
私はその日は聞き流して帰ってきた。
☆ ☆ ☆
二つの話を総合すると、私は決して神経のず太いほうではないのに、やけに社交的にふるまおう
としたり、元気になってはしゃいだり、感情をぶつけてしまったり、相手のことを考えすぎて
しまったりしてエネルギーの無駄使いをしている、ということになる。
つまり、なんのことはない。治療者であると同時に「精神病予備軍」でもあったのだ。
早く気がついて良かった、いやいや、おそすぎるというべきか。
いずれにしても、これからの人生をしあわせにするために大事なことを教えてもらった。
交友関係を広げず、自分のペースで生きていけるようになったら、疲れ方も違うかも
しれない。
☆ ☆ ☆
以前にも書いたが、元気な人と会うことでエネルギーをもらえるとたいていの人は思って
いるが、そのためにエネルギーを奪われる人もいる。
元気な人は、相手からエネルギーを奪うことで元気を保っていることもある。
自分が元気でいられる方法は、みんな違う。
自分を知ることはむづかしいので、家族なり、友人なりに聞いてみるとおもしろい感想が
聞かれるかもしれない。