その美容室は、標高1500m、山の中腹にあります。
東京に住んでいたオーナー夫妻が八ケ岳登山をしたときに
とても気に入った土地を見つけ、電気も水道もないところに山小屋を
建てました。
それが後に住まいを兼ねた今の美容室になったそうです。
山の中腹に建っているというのでどんな山小屋風かと思っていたら
とても都会的な建物、シンプルだけど中のセンスもとても良い。
腕が良いので気にいって、もうかれこれ月一で三年は通っています。
☆ ☆ ☆
ずっと年休をとれなかったの。
今週、とれるかもしれないっていう日があってね。
でもとろうかどうか、すごく迷っているの。
彼女が即座に言いました。
「とりなさいよ。もう取れないんでしょ」
私「そうね。東京に行きたいの。」
彼女「東京は刺激を受けるわ。それに女の人はきれいな物を見ることが
大好きだしね」
私「でも迷っているの。誰かが背中を押してくれないとね」
彼女「東京のどこに行きたいの」
私「わからないの。あり過ぎるようで、ないようで」
彼女「絵が好きなら銀座はどう? お金のない時、よく銀座を歩いたわ。
ちいさな画廊が山のようにあって、すっと入っていくと、いろんな出会いが
あるの。お金は使わなくていいし、いろんな絵が見られるし、最高よ」
私「写真の画廊もある?」
彼女「あるわよ。写真たくさん持っているんなら個展だってやれるのよ」
私「まあ!」
彼女「銀座を歩くんなら、大通りの一本うらの道を歩くのよ」
私「わかったわ」
話がどんどん進んで、とうとう私、高速バスデビューまでしてしまい
ました。早速チケットを買ってバス停などたしかめたり。
☆ ☆ ☆
こないだ誰かが言っていた。
街には自然がなくて人工的だから、そこから文化や教養が生まれる。
田舎は自然が豊かだから、自然の深みから哲学が生まれると。
人間の精神は両方を行き来しながら成熟するのではないかと思う。
美容室への道はこんな雪と山の中。
家のまわりも一日中、雪が降っていました。
レモンはこの寒さでも平気、大喜びです。
いつかのために、と買ってある本・・・・・
ときどき開いて見てるだけでも楽しい・・・・・・

